プロバクター工法施工主任者心得

プロバクター工法施工における施工品質、作業環境保全、作業者の安全及び周辺居住者の安全について特に施工主任者として配慮すべき点をまとめました。

 

1、プロバクター工法の進歩

プロバクター工法は日々の研究開発によって、現在も進歩し続けている工法である。プロバクター工法で使用する薬剤、施工技術、施工用具は、多くの現場経験の中で開発を行ったものであるが、より優れた考案が生まれれば、今後とも検証を行ったうえで改良、改善を進めていく。

施工主任者にあっては、当該施工現場の現状を厳しく見つめるだけでなく、長期間、微生物災害の無い安全な環境を作るという視点で適宜環境を調査を行うものである。

プロバクター工法で使用する薬剤は「防カビ剤」と一般に言われるものであるが、防カビ性能はもちろんのこと作業者の安全、周辺環境への配慮、居住者の安全などを総合的に考慮して、現在の表層仕上げ剤が完成している。

表層仕上げ剤の前段で使用する殺菌剤、深部殺菌剤もカビ繁殖の前提となる細菌対策の必要性から、検討を進めたもので、プロバクター工法の心臓部とも言える。それぞれの薬剤成分や基本特性について理解するだけでなく、顧客への説明、作業員教育を行うという前提で日々研鑽を続ける。

薬剤の優秀性は施工方法自体も革新する結果となった。従来の刷毛塗りやローラーを使用した施工方法から、各種噴霧器を使った吹付工法に発展し、さらに薬剤を、無人で噴霧する工法も開発中である。

衛生害虫対策の現場で薬剤噴霧に応用されたものをカビ対策の観点から見直しを進めていくものである。

 

2、施主との打ち合わせ

菌類の生育条件や微生物災害の実情を顧客に恐怖感を与える事のないよう丁寧な説明をおこなう。人間の居住空間に存在する微生物は互いに影響し合って共存しており、特に細菌類とカビ類の関係については周知されていないので、本プロバクター工法の考え方として、細菌の殺菌対策について、その必要性と重要性については十分な理解を促すようにする。

薬剤の改良と施工技術の革新によって、大きな工期短縮が出来た点も、十分説明する。工期短縮は周辺住民への影響(コスト面ばかりでなく精神的な負担も)を最小にすることを説明する。

工法全体への信頼と説明者である施工主任者の真摯な態度が受け入れられて、初めて受注の運びとなる。

 

3、施工管理

通常の建築工事と同様に準備と段取り、適正な人員配置が間違いのない施工を約束する。ここでは特にプロバクター工法施工主任者として留意すべき点について述べる。

3-1 現場調査

プロバクター工法ではカビなどが発生している建築部位を見極めるが、カビの採取、同定、菌種に対応した薬剤の調製は必要ない。しかし、躯体から内装まで積層構造を持った壁等であることにに気を付けながら、徹底的な現場調査を行う。この調査の成否が施工の成否に直結すると心得ること。

食品工場の例などでは微生物災害に困った施設担当者が、過去にもカビ対策を行ってきた現場が多く、一見きれいな壁面でも塗装の繰り返しで、塗装内部にカビ類の生育層を抱えているいることがある。

施設担当者との打ち合わせの中で過去の施工の有無やその際の施工方法について十分な情報を得ること、十分な情報が得られない場合には、許可を得たうえで、表面仕上げ材の一部を剥離して内部を確認することも必要になる。

一般住宅の施工に関連して近年、居住者と住宅建築業者との間で紛争になっていることがある。カビの発生を建築の不具合とし、健康面への影響を重く見ての裁判である。

この様な場合には、プロバクター工法としての菌の同定は不要であるが、施主の要望を聞き、菌の採取を先行して実施することがある。

カビの発生状況を確認した写真と資料をNPO法人 環境微生物災害対策協会に送付して指示を仰ぐこと。

カビ等の発生状況を把握する傍ら、殺菌、漂白、洗浄などに使用する薬剤量や担当作業者案を作っていく。施工図面に表面材の状況や重点的に作業を行う場所を書き込んでおく。

さらに薬剤使用時の換気の為の局所排気装置の設置場所、排気口の設置場所、資材保管スペース一を決定していく。作業完了後の報告書にも同内容を記入することを考慮して詳細を書きとっておく。

躯体への施工を行い、内装業者の作業を待って、表面の仕上を行う場合には、前後の内装業者等との打合せが必要になることも多い。計画段階では十分、時間の余裕をもって臨む事が重要である。

 

3-2 施工管理

現場調査によって把握した微生物災害状況と施主からの施工時期、期間、重点施工場所などの要望をもとに作成した工程に従って施工を行う。

作業員への教育指導

施主との施工打合せや工事進捗状況の報告、局所排気装置の排気状況確認など、施工が始まると施工主任者は現場を離れることも多い。

施工品質を一定以上に保つ為には、作業者への作業前教育が重要である。施主との打ち合わせ時同様、プロバクター工法の概要に始まり、薬剤の特徴と施工の注意点について、作業段階に合わせて、正確に伝えていく。

施工工程表などすべての資料を作業員の持たせる必要はないが、施工に注意が必要な部位や適当な報告のタイミングを明記したメモを作業場所に貼る等の工夫により、作業を間違いないものにする。

作業場内では保護具などの装着に先立って、裸眼で微生物災害の現状を確認させる。更に作業場雰囲気の中でも特にかび臭ほかの臭気について作業員各人に確認させる。

作業員によって臭覚や表現力に差はあるが、其々に『○○臭がある』と発言させるのがよい。作業後、細菌臭(腐敗臭)を含め、臭気が無くなることが、プロバクター工法の特徴でもあり、臭気の変化は、変化した後では確認の行いようがないので、臭覚が敏感な入場時の習慣にさせること。

資材保管スペースに薬剤、資材、保護具等を搬入し、整理しながら、其々の薬剤計量方法、保護具の使用方法、機材の使用方法を説明する。

作業段階の要所では、作業部位と使用薬剤の調整、使用後の薬剤缶開缶写真などを撮影するので、それらのタイミングも指示する。

比較的大きな現場で作業場を分割し、作業員が単独で行う作業が多くなることが予想される場合には、作業の段階ごとの連絡、報告を徹底させる。

薬剤開缶時の吸い込み、中毒、作業中の転倒など複数作業員で確認すべきことが出来ないので注意する。基本的には複数名での作業を計画する。

作業対象面の水分に注意すること。特に外壁工事にあっては、降雨時、雨が差し掛かる場所での作業は禁止、延期するのは勿論のこと、夜間の結露にも十分注意すること。

 

4、施工完了

一連の防カビ施工がプロバクター工法の完了ではない                        養生の解除の前に施工対象を再度よく観察する。プロバクター工法でで使用する仕上げ材は無色透明であるので、施工中はもちろん施工後も施工ムラ、施工漏れがないよう注意する。カビ発生の原因となる塵等も注意深く清掃して工事を完了する。

施工後の機材等搬出で外気を吸ったら、再度作業場内に入ると時には臭気の無いことを確認する。施主にもその時に施工効果の確認の意味もあり、入場、確認してもらうとよい。

乾燥養生が十分でない間に施工完了、引き渡しになる現場では必要な乾燥養生時間内には人の出入りを出来るだけ禁止してもらうよう施主あるいはその他工事の現場監督に要請する。

施工完了報告書をまとめ、施主への報告に上がるときには入場の許可をもらって、仕上がりを再確認する。1週間程度の頂いての報告であれば、臭気の確認が重要である。

既存建築物でのカビ対策施工では、カビ臭、細菌臭が消えていることに注意する。本来カビ発生の環境が整っていた場所で臭気がないことは、快適な環境がプロバクター工法で実現出来たことの証である。

 

 

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